コマンド拡張で学ぶVZマクロ入門 #53

s==0(編集モード)

1行挿入

戻り値 r：常に0

• カーソル行の前（上）に改行を挿入し，カーソルは挿入した行に移る。
• オートインデントが有効（Ei+）の場合，元の行に応じた深さで字下げが行われる。
• 全角オートインデントEjが有効であれば，全角空白を含む空白類（スペース，タブ）が複写される。
• 行頭及び字下げされた空白類の途中で実行した場合は，オートインデントは行われない。
• ファイラーとビューモードで使用するため，キーアサインを変更しないほうがよい。

s==1(文字列入力モード)

無効

s==2(コマンドラインモード)

無効

s==3(ファイラーモード)

同等の機能ではなく，#53で指定するファイラーコマンドが存在する。ファイラーにおける #53 の機能は，「選択・実行」になっている（ショートカットキーは割り当てられておらず，ドキュメントにも書かれていないが，ソースのfiler.asmのtb_flcmd（ファイラーコマンド・テーブル）に「fcmd 53,do_cr ; ##16」と記述されている。）。

s==4(メニュー)

• メニューのキャンセル
• メニューの戻り値として以下の値をrにセットする

戻り値rの内容

• 下位7ビット：コマンド番号53==$35
• 上位9ビット：フラグやカーソル位置
  • 最上位ビット：特殊キー入力フラグ
  • 次の7ビット：カーソル位置
  • 次の1ビット：コマンド／マクロキーフラグ
  • リードオンリーメニューでは上位オクテットに$FF

s==4(1文字入力モード)

無効

マクロによる拡張例

日本語段落挿入

シフト実行で，日本語文章の段落を挿入する拡張を付与する例である。

53 ^N ""        ;New Line[\]    H_ear
        ?. (ks&1)??{ #n . }
        &s #< #m (2){ #n } "　" &d &j(10)

オートインデント逆転

シフト実行で，オートインデントを逆転する拡張を付与する例である。

53 ^N ""        ;New Line[\]    H_ear
        ?. (ks&1)??{ #n . }
        ei!, ej!, #n ei!, ej!,

なお，コマンド ^N のキーアサインを変更しなければ，編集モード以外ではマクロよりコマンドが優先するため，ファイラやメニューが影響を受けることはない。