コマンド拡張で学ぶVZマクロ入門 #72(#N)

s==0(編集モード)

新規ファイルとしてオープンする。

戻り値 r： 0=同名パスで既存，あるいは編集中のファイル；　 2=存在しない新規のファイル

同名のファイルが存在する場合や編集中でも新規ファイルとしてオープンする。

なお，ファイルのオープン後に !Open イベントマクロが実行されることと，ファイル名ヒストリバッファの pf を使用することは，通常のオープンコマンド #70(#O) と同様である。

s==1(文字列入力モード)

無効

s==2(コマンドラインモード)

無効

s==3(ファイラーモード)

#72(#N)は無効だが，同じシンボルの #N はファイラー専用コマンドの「新規ファイル(new file)」にアサインされており，ファイラーのファイルメニュー（VZFL.defのシステムメニュー13番）に使用法のサンプルがある。

s==4(メニュー)

• メニューのキャンセル
• メニューの戻り値として以下の値をrにセットする

戻り値rの内容

• 下位7ビット：コマンド番号72==$48
• 上位9ビット：フラグやカーソル位置
  • 最上位ビット：特殊キー入力フラグ
  • 次の7ビット：カーソル位置
  • 次の1ビット：コマンド／マクロキーフラグ
  • リードオンリーメニューでは上位オクテットに$FF

s==4(1文字入力モード)

無効

マクロでの利用

基本的にリードオンリーオープン#71(#R)と同様に作業ファイルのオープンに使用できるが，上書き保存が可能であることに着目すれば，便利なコマンドであると言える。しかし，'nul'をリードオンリーでオープンする手法が知られてからは，#72(#N)が用いられる場面は減少したと見られる。

一部の仮想環境（Windows XP 及び後継OSのXPモードなど）においては，'nul' のオープン時であっても新規ファイル確認に応答の必要が生じるため，#72(#N)を使う方がステップ数が少なくなるという観点もあるし，作業ファイルも最新(last)の内容は次の作業までバックアップとして保存したいという要求から，作業ファイル名を固定して使い回すということもできるだろう。

マクロにおける利用方法は#71(#R)に準じる。