蜉蝣と陽炎 王 幼い頃、陽炎と蜉蜉の区別を知らずに、かげろうという名前の生き物が、なにか不思議な力で空気を燃え立たせて、おのれの生命を焼き尽くすのだと信じていた。 オアシスが一つ消えるのを見るたびに、私はそのことを思い出すのだ。おゝ、道化よ。笑っているのか、泣いているのか。 道化 笑っているかと聞きなさる？　これこのカナツボまなこから一筋 泣いて身を焼くうすばかやろう　いやさ薄羽蜉蜉のあたしじゃないか

(1993/05/11 FGALPK MES 11「壁」にて)

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